お品書き
第一回『浅草』篇
第二回『聖蹟桜ヶ丘』篇
第三回『和田堀公園』篇
第四回『権田原』篇
第五回『参宮橋』篇
第六回『桜上水』篇
第八回『門前仲町』篇
第九回『西原』篇
第十回『お台場』篇
第十一回『高尾山』篇
第十二回『分倍河原(前編)』篇
第十三回『分倍河原(後編)』篇
第十四回『渋谷区本町』篇
第十五回『初台』篇
第十六回『善福寺川緑地』篇
第十七回『九品仏』篇
第十八回『等々力渓谷』篇
第十九回『笹塚』篇
第二十回『幡ヶ谷』篇
第二十一回『代々木』篇
第二十二回『谷中』篇
第二十三回『巣鴨』篇
第二十四回『雑司ヶ谷』篇
第二十五回『明治神宮外苑』篇
第二十六回『光が丘公園』篇
第二十七回『立会川(品川区)』篇
第二十八回『高井戸・浜田山』篇
第二十九回『日野』篇
第三十回『日野橋(前編)』篇
第三十一回『日野橋(後編)』篇
第三十二回『夢の島マリーナ』篇
第三十三回『京王永山(前編)』篇
第三十四回『京王永山(後編)』篇
第三十五回『根津』篇
第三十六回『石神井公園』篇
第三十七回『表参道(同潤会アパート)』篇
第三十八回『京王多摩センター』篇
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桜の樹の下には・・・。
桜上水から荒玉水道道路を歩いてきた。船橋〜千歳台で見た妙な夫婦が頭に残りつつも、途中、ファミリーマートで一息いれて日大商学部を過ぎると、緩やかな陽のあたる坂道に。仙川のせせらぎが聴こえてくると、線香のかおりがフワっと漂ってくる。大蔵団地の横の仙川をはさんだ場所にある妙法寺があるためだった。川沿いに歩くだけで、ちょっとしたアロマテラピー。
「桜の樹の下には・・・が埋まっている」とは梶井基次郎の小説だが、この大蔵の桜の樹の下には僕の家族が埋まっていた。大学2年の夏、監視員のバイトをしていた市民プールにいた、痩せたアメリカンショートヘアの猫。以来3年間、彼は家族として過ごした。僕の誕生日の翌日が命日だった。
飼い主に捨てられた彼の葬式を、「家族」としてきちんとやってあげたかった僕の一存だった。もうあれから4年経つ。命日にはほぼ一月ほど早いのだけど、団地の横に構える動物霊園の脇でそっと手を合わせた。環八通りに出てもそのまま荒玉水道道路をまっすぐ歩いてきたのは、砧公園へ行く前にココへ寄りたかったから。落ち着いた仙川のほとりに連れてきてあげられて本当によかった。いい所でよかった。暖かい春でヨカッタ
。
それにしても、大蔵団地前の世田谷通りにかかる歩道橋の上から見た桜並木はとても綺麗だ。にわかにつま先が躍り出す。
団地を通ってきたので、運動公園の方から入ることに。スゴイ人だかり。今日を逃すなとばかりに花見客でゴッタ返している。桜の満開にギリギリ間に合った。しかし、人の流れに飲み込まれてあっという間に美術館の辺りまできてしまった。ビールでも飲んでパーっと行くかという意気込みは、でかけたクシャミと一緒に口の奥へ押し込まれた。
さすがに上野公園辺りに比べると、砧公園のそれは行儀がいいというか、まったりとした花見で、場所柄を彷佛とさせる。ボールやバドミントンで遊んでいる人たちがいるあたりに、なんだか「いつもの休日」といった雰囲気を感じる。
グルっとひとまわりして(させられて?)、僕は青空橋を渡って運動公園へ戻った。今年の桜のピークからすると、今日が満開の見納めかもしれない。でも、どこか別の場所にも足を運んでみたくなった。どうか次の日曜日まで咲いていてくれますように。
小田急線「成城学園前」から
大蔵団地あたりまで
バスがあります。
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