vol.42 高幡不動・高幡不動尊(金剛寺)「紫陽花フレーバー」

chapter1
結ぶ6月

ジューン・ブライドという。6月は結婚の季節。結ぶ月には、何かに出会えるような気がしなくもないけど、本来、この梅雨の季節は大の苦手で、カメラを持っていなければ今にも雨が降り出しそうな曇り空の週末に電車に乗って遠出をしようなど思いをしなかっただろう。

しかし、今年から『東京定点観測』を始めてしまった以上、季節の風景を撮りに出かける事が自動的にライフワークに組み込まれたのだった。先月はツツジを見に練馬や根津などへ出かけた。今月は、やっぱり何といってもアジサイ。去年は鎌倉の極楽寺にある成就院まで足を運んだけど、今年は都内に絞っていくつかある候補の中から高幡不動へ行ってみる事にした。もちろん初めて訪れる場所。

京王線に乗ってひたすら西へ。久しぶりに東京の郊外への旅。多摩を主とした東京の郊外は僕の原風景の一つでもあり、出かけるたびにワクワクする場所でもある。それにしても、聖蹟桜ヶ丘よりも先へ行くのは八王子へ出かける時くらいしかないが、八王子ですら以前出かけたのは学生時代だったと思う…。

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chapter2
気付いたら登っていた「登山」

駅へ着いた。誰かが倒れたようで、担架で改札口付近まで運ばれていた。若い女性のようだ。転倒したのか、それとも熱中症というやつだろうか。気の毒に思いつつ改札を抜ける。

高幡不動尊、金剛寺の場所は駅からすぐ右にある。赤くて大きなアーチが鳥居の形をしていて「高幡不動尊参道」、と書かれている。忠臣蔵のお店があったが、所縁の地のようだ。境内左手には小高い山があり、ふもとを中心に色とりどりのアジサイが咲いている。…念のため久しぶりに三脚を携帯してきたが、悪い予感は当たるもので、ほとんど必要なかった。ところ狭しと咲き誇るアジサイを撮影するには手持ちが一番だ。他の人の邪魔にならないように、ゆっくり撮れる場所がないか、しばらく先を目指して歩いた。しかし、行けば行くほど山を登っていて、まさかと思いながらも、ついに山頂まで…。三脚を持ちながら、である。もちろん、汗ビッショリになった。一日曇り空の山の中とはいえ、やっぱり暑かった。

上へ行ってもさほど見るべきアジサイもなく、休憩した後に僕はとっと下山し、元の撮影ポイントへ帰ってきた。
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紫陽花フレーバー

下まで降りて、再びアジサイを何種類かマクロで撮影。塔のそばでスナップを撮っておこうかと思っていたら、若い女性2人に写真撮影を頼まれ、塔をバックに一枚、アジサイをバックに一枚、合計二枚の撮影をさせてもらった。…塔をバックに撮った方は、ちょっと構図がイマイチな感じがした。他人のカメラ(主にコンパクト)を持つのは本当に緊張する。シャッターボタンを押す時の責任感が、自分の写真を撮る時とはまるで違うからだ。

他に撮る予定もなくなったので、金剛寺を出て、向かいにある「あじさいソフト」を食べてゆく事にした。あじさいフレーバーが練り込まれているという事だが、アジサイを食べた事がないのでどんな味なのか検討がつかない。まあ、普通に美味しいソフトクリームだったと思います。

どうやら閉店間際だったようで、一度寺に戻ってソフトクリームを食べて、アジサイをバックに記念スナップなんかをお約束で撮ったりしてるうちに、なんか手がベトついたし、ノドも乾いたからお茶でも飲もうと思って参道へ出ようとしたら、さっきのお店があっという間にしまっていた。まだ5時を過ぎようという所だったが。そういえばなんとなく雨が降ってきそうな按配とも受け取れる空模様だった。雨ガッパを持ってきていたので心配はしてなかったが、用も済んだので、僕は京王線に乗り込んで帰宅の途に着いた。
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