第三十五回 根津のつつじのカンカン娘
以前、テレビの情報番組で根津界隈、いわゆる谷根千のレポートを見た。その時、今でも玉売りをしているウドン屋が根津に一件ある、ということを知った。
20数年前、小学校へ上がったばかりの頃は、まだ僕の住む幡ヶ谷の商店街にも玉売りのウドン屋、というものがあった。ガラスに木枠というスタイルのケースに、小分けされたうどんや焼そば用のそばが並べられていた。スーパーで買うモノよりも何処か美味しい気分がしたものだった。
お品書き
第一回『浅草』篇
第二回『聖蹟桜ヶ丘』篇
第三回『和田堀公園』篇
第四回『権田原』篇
第五回『参宮橋』篇
第六回『桜上水』篇
第七回『大蔵』篇
第八回『門前仲町』篇
第九回『西原』篇
第十回『お台場』篇
第十一回『高尾山』篇
第十二回『分倍河原(前編)』篇
第十三回『分倍河原(後編)』篇
第十四回『渋谷区本町』篇
第十五回『初台』篇
第十六回『善福寺川緑地』篇
第十七回『九品仏』篇
第十八回『等々力渓谷』篇
第十九回『笹塚』篇
第二十回『幡ヶ谷』篇
第二十一回『代々木』篇
第二十二回『谷中』篇
第二十三回『巣鴨』篇
第二十四回『雑司ヶ谷』篇
第二十五回『明治神宮外苑』篇
第二十六回『光が丘公園』篇
第二十七回『立会川(品川区)』篇
第二十八回『高井戸・浜田山』篇
第二十九回『日野』篇
第三十回『日野橋(前編)』篇
第三十一回『日野橋(後編)』篇
第三十二回『夢の島マリーナ』篇
第三十三回『京王永山(前編)』篇
第三十四回『京王永山(後編)』篇
第三十六回『石神井公園』篇
第三十七回『表参道(同潤会アパート)』篇
第三十八回『京王多摩センター』篇
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郷愁に誘われたGWの週末に、玉売りの焼そばを買って鉄板焼きで晩飯、というのもいいなと思った。そんなわけで、文化の日に、代々木上原から千代田線に乗って根津へ出かけてみた。千代田線に乗るのは久しぶりだ。
不忍通りと言問通りの交差点に出るや、早くも人で賑わっていた。何やら「祭りの匂い」というものを嗅ぎ付けた僕は、その流れに任せて歩いてみることにした。
辿り着いたのは根津神社だった。GW前から「つつじ祭り」が始まっていたのだ。ちょっと一服がてら立ち寄る。中へ入ると、何やらハワイアンなムード流れる一角が。よくあるリサイタル大会だ。華やかな色使いの衣装と花飾りに身を包むちょっと盛りを過ぎた「カンカン娘」が踊っている。「フラブルメリア」というグループらしい・・・。
奥へ行くとつつじ園がある。手前の池には亀のカップルが首を伸ばしあって「つつじ」を仲良く見上げている。亀も見とれるつつじだけあって、見事に整っている。
祭りといえば、やはり出店。こういう出店のお好み焼きや焼そばには目がないのだが、ここで誘惑に負けては今日の計画が破綻するので、グっと堪えて神社を後にし、根津界隈を練り歩く。隠れ家的な渋い店「根津BAR」というのがあった。こういう発見が面白い町だ。ソレっぽい店はポツポツあるのだが、製麺所の類いの店が一向に見当たらない。うろ覚えの限界、というやつだろうか。
「根津と聞いたけど、
根違い
ということも・・・」と思って、言問通りを東へ進んで、台東区根岸の方へも行ってみることにしたが、尾久橋通りを歩いているうちにいつの間にか日暮里へ。「やっぱり根津かな」と西日暮里を回って道灌山下から不忍通りへ入って再び根津へ。
しかし、どうにも見つけることができず、赤札堂で野菜と肉とそばを買ってトボトボ帰るハメになってしまった。
子どもの頃、学校の帰りによくつつじの花をむしって、先っぽを口に含んで歩いたことがあった。ホンノリ甘い味がして、片っ端からむしっていた。
しかし、よく考えてみると、甲州街道沿いに咲いていたので、排気まみれで体には悪かったかもしない。