お品書き
第一回『浅草』篇
第二回『聖蹟桜ヶ丘』篇
第三回『和田堀公園』篇
第四回『権田原』篇
第五回『参宮橋』篇
第六回『桜上水』篇
第七回『大蔵』篇
第八回『門前仲町』篇
第九回『西原』篇
第十回『お台場』篇
第十一回『高尾山』篇
第十二回『分倍河原(前編)』篇
第十三回『分倍河原(後編)』篇
第十四回『渋谷区本町』篇
第十五回『初台』篇
第十六回『善福寺川緑地』篇
第十七回『九品仏』篇
第十八回『等々力渓谷』篇
第十九回『笹塚』篇
第二十回『幡ヶ谷』篇
第二十一回『代々木』篇
第二十二回『谷中』篇
第二十三回『巣鴨』篇
第二十四回『雑司ヶ谷』篇
第二十五回『明治神宮外苑』篇
第二十六回『光が丘公園』篇
第二十七回『立会川(品川区)』篇
第二十八回『高井戸・浜田山』篇
第二十九回『日野』篇
第三十回『日野橋(前編)』篇
第三十一回『日野橋(後編)』篇
第三十二回『夢の島マリーナ』篇
第三十三回『京王永山(前編)』篇
第三十五回『根津』篇
第三十六回『石神井公園』篇
第三十七回『表参道(同潤会アパート)』篇
第三十八回『京王多摩センター』篇
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第三十四回 答えなど何処にもない
10時半過ぎに家を出た僕は、再び京王永山へ向かった。到着するや、永山団地の切り通しを抜けてゆく。途中、永山南公園で一服。GW中の閑散とした雰囲気。誰の曲だかわからない有線が聞こえてくる。何だかとても寂れた感じがした。諏訪中へと続く道のところを左へ曲がると、中諏訪小学校前へ出た。
無論、いろんな事情があったろうし、大凡の検討はつく。が、安易に言葉の中に答えを求めるつもりはなかった。どんな町でも変わる。社会派気取りは好きになれない。
明日になれば子どもたちがこの道を駆けてきて、いつもと変わらぬ授業を受けるんじゃないだろうか。と、そんな空想をしてしまう元中諏訪小学校の佇まい。地図が正しければ、この学校は少なくとも9年ほど前に廃校になっているはずなのに、見えるはずの「風化」が見当たらない錯覚に陥った。しかし、それも単なる陽炎に過ぎなかった。
「多摩市諏訪いきがいデイサービスセンター」と書かれた入口を見て、中諏訪小学校の廃校を遅まきながら確認した。廃校舎を近隣住民のための施設にする、というのはよくあるが、あまり積極的に活用されているのを見た試しがない。どうやらココはそれなりに機能しているように見える。「風化」が見当たらない気がしたのはそんなせいだったのかもしれない。
近くの公園で僕は、元南諏訪小が母体になった合併に少しだけ安堵を覚えつつ、久しぶりにボールを蹴った。