立会川のほとり
立会川の黄昏
ボラを見にみたギャラリー
第二十七回 変わる予感を確かめに

平成十五年二月、品川区にある立会川でボラが大量発生したというニュースが賑わしている。

とあるニュースで大学教授が発した一言「水が綺麗になったからでしょう」に強く惹かれた僕は、例のごとくバスを乗り継いでココまでやってきた。

今まで「水が綺麗」じゃなかったから魚がいなかったのだという逆説を打開する何かがある。そんな気が。
ボラの群れとおぼわしきもの
極私的東京百景認定026
掛線
立会川
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立会川のほとり2
ここは野次馬らしく、川の傍のコンビニで買い物をすることに。この店のオバチャンが風邪マスクをつけながら、やけに威勢よく働いているのがチョット面白かった。お金を落としてゆこうという気になってしまった。

川の水は思いのほか濁っていた。「綺麗になった」というのは気のせいだったのだろうか。これでは何も見えない。ここは一つ子どもの傍にいってみようと思った。好奇心旺盛な子どもの目はこういう時に威力を発揮するのが常だ。
僕は子どもが釣りをしているのが好きだ。大人がやっているのを見ても全く面白く見えないが、子どもの釣りは、魚ではなくまるで大志を釣ろうとしているように見えるからだ。

「ボラ〜、ボラちゃん出ておいで〜」
子どもの声に、なんだかコチラがいたたまれなくなってきた。確かに何かの群れは確認できた。これがボラなのかどうかは正直よくわからなかった。最初、僕はそれを水草だと思っていたくらいだ。
周囲の話に耳を傾けてみると、どうやら前日は沢山いたらしい。もしこれがボラだったとしても、本物って随分小さいんですね。

先ほどまでいたテレビ局の取材クルーがいなくなると、ギャラリーは一人また一人と、この川に架かる浜川橋を後にしてゆく。日が暮れてきたのだ。

「昔はいたんだけどね。ヘドロがたまっちゃって・・・」
隣にいた年輩の男性としばし続けた会話の中のそんな言葉が少し寂しかった。
大志を釣りにきたキッズ
ボラを釣りにきたオジサン



「水が綺麗になったから」魚が沢山きたというのは、すごい一言だった。今までは魚が寄り付かないほど水が汚かったということでもある。

立会川がその答えをあっさり見せたような気がして、僕は是非ともこの場に足を運びたかったのだ。
立会川に架かる浜川橋の由来