|
|
|
|
|
|
第二十回 夢の天狗のストーリィ
二十年ほど前、幡ヶ谷のとある路地裏に一人の天狗が住んでいた。小さな店を構えて、金魚やカブト虫などを売っていた。
唯一残った廃舎と赤土のトラックだけがかつての名残りで、あとは一面草だらけの教育大(現筑波大)グラウンド跡地(現渋谷区スポーツセンター/写真上)で、春はカマキリを捕まえて遊んでいた僕らは、サナギが孵化し始める夏になると、天狗が売ってるカブト虫やクワガタを観にやってきた。
|
|
|
|
|
 |
|
|
|
.
|
|
|
|
六号坂通り商店街の路地を入ったところにヒッソリと構える店を営んでいた彼が実は天狗だったということは、誰も知らなかった。・・・もちろん僕も。
「ねえ、何売ってんの? ムシ売ってんの?」無邪気に僕らが訊く。「ムシ売ってんじゃねえよ、夢売ってンだよ」
天狗の十八番だった。僕らはこの一言を聞くたびに胸を高鳴らせた。あの頃の僕らにとって、とびっきりカッコイイ言葉。店に行くたびに問いかけていた。
キレイだとかキタナイだとかはどうでもいい。夢は膨らませるもの。求めたのは言葉じゃなかった。
デパートで売ってるのなんか、ただのムシだ。でも、ココで売ってるのは「夢」なんだ・・・。
やがて僕らが補虫アミを部屋に置いて、ボールを追い掛けるようになった頃、天狗はいつの間にか空高いところへ飛んでいった。僕が最後に天狗に会ったのはいつのことか、もう覚えていない。
昔、玉川上水を淀橋へひいていた水道道路に架かる橋の番号。その名残りが六号通り商店街だ。現存する橋番号はココと七号通り(右下写真)、笹塚の十号通り商店街くらいだ。
ちなみに、幡ヶ谷付近は唐揚げが旨い。最近まで一番旨いと思っていたのは、六号坂通り商店街入口の大黒屋。でも、本当に一番旨いのは、実はその向かいにある店なのだ。
(ココに掲載されているもの以外の写真はコチラへ)
|
|
|
|
|
|
水道道路は、かつて玉川兄弟がココに大きな水路を引く工事を幕府から請け負ったことで名付けられた玉川上水の水をひいたことから名付けられた。
本町一丁目に元玉川カルテットの玉川良一氏の自宅があるが、それとこれとは全然関係ない。
|
|
|