お品書き
第二回『聖蹟桜ヶ丘』篇
第三回『和田堀公園』篇
第四回『権田原』篇
第五回『参宮橋』篇
第六回『桜上水』篇
第七回『大蔵』篇
第八回『門前仲町』篇
第九回『西原』篇
第十回『お台場』篇
第十一回『高尾山』篇
第十二回『分倍河原(前編)』篇
第十三回『分倍河原(後編)』篇
第十四回『渋谷区本町』篇
第十五回『初台』篇
第十六回『善福寺川緑地』篇
第十七回『九品仏』篇
第十八回『等々力渓谷』篇
第十九回『笹塚』篇
第二十回『幡ヶ谷』篇
第二十一回『代々木』篇
第二十二回『谷中』篇
第二十三回『巣鴨』篇
第二十四回『雑司ヶ谷』篇
第二十五回『明治神宮外苑』篇
第二十六回『光が丘公園』篇
第二十七回『立会川(品川区)』篇
第二十八回『高井戸・浜田山』篇
第二十九回『日野』篇
第三十回『日野橋(前編)』篇
第三十一回『日野橋(後編)』篇
第三十二回『夢の島マリーナ』篇
第三十三回『京王永山(前編)』篇
第三十四回『京王永山(後編)』篇
第三十五回『根津』篇
第三十六回『石神井公園』篇
第三十七回『表参道(同潤会アパート)』篇
第三十八回『京王多摩センター』篇
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第一回 浅草の原風景を歩いてみる
子どもの頃、田舎へ行った帰りによく浅草の洋食屋へ訪れた。松屋前の新仲見世通りを入ってすぐの所にある店だ。東武伊勢崎線の階段を降りて右手にあるその洋食屋で出す料理が特別美味しかったという記憶はない。ただ、あの店で食事をしている雰囲気がとても好きだった。シチュエーションである。
渋谷で暮らしてきた僕は、正直な話、「東側」の事はよくわからなかった。亀有や北千住などのいわゆる常磐線や京成線エリアにある下町には訪れた覚えがなかった。自分にとっての「下町」は神田や浅草あたりを指す言葉だったのだ。ましてや、子どもの頃の原風景の一つがここ浅草にあるなら、秘めたる憶いは尚更大きくなる。そんなことを久しぶりに確認した僕は、ちょっと浅草に出掛けてみたくなった。
幼い頃の浅草までのルートは丸の内線から銀座線で。今日はバスで行くことにした。バスはここ一年ですっかりハマった。今のところ
都営バス
ばっかりなので、「都営バス路線案内」が手放せない。相変わらずバス酔いすることが多いが、幸いというか、4月最初の日曜日は絶好の花見日和。座れる余裕が全くなかったのだ。
店の前まで来た。「レストラン東洋」。全然変わってないなあ。 大概、洋食屋に来たら、取りあえず入口のショーウィンドウの前で何があるかザっと目をくべてみる。よさそうだったら中に入る。
花見客に揉まれながら、4時過ぎに到着した僕は、ここで早めの晩飯を済ませてしまうことにした。年輩や家族連れの客が比較的多い。注文を聞き忘れるほど忙しいようだ。店員のおばさんが文句を言われている。「東洋風ビーフカツセット」。コーンスープとライス、サラダがついてくる。これに決めた。しばらくして、先にいた客よりも早くビーフカツがきた。なんか気まずい。そそくさと食べる。結構旨い。肉も思ったより柔らかい。\1300という普段ならやや高いと思える値段も、まあ許せる。にしてもフォークで米の飯を食うのって、なんか久しぶり。
浅草は土日の混んでる時がイイ。渋谷とか新宿なんかは進んで人混みに入りたくないけど、浅草のはイイな。混んでる仲見世通りの中を、歩くスピードをいつもの三分の一くらいに落としてプラップラしたい。外人とか地方から来た人とか沢山いるんだけど、地元の人もいて、分け隔てない感じが好きだ。僕は仲見世通りに入って、デジカメを右手に握ったまま、観光客気分を装おってみることにした。
仲見世は
浅草寺(せんそうじ)
へと続く参道で、店が軒を貫いている。本堂の方へ入っていくと、木の枝におみくじを結んでいる若い人たちがいる。横には電話なんかもある。浅草を歩いているとよく見かけるのが人力車や籠を背負った売り物屋さん。一つの東京風景だ。こういう所に意外と外国人観光客が来る。ここに東京の文化があるからなんだなとつくづく実感する。ヤクザ風の連れとか見ても、どことなく江戸っ子っぽい佇まいがして思わず吹き出しそうになるのだ。
こんな風景に出くわすのも浅草ならでは。なんかイイでしょ?
この電話機ってISDNじゃない?
これは御見逸れしやした。
五重塔の本家本元
はどこなんでしょうねえ。
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